御仁と逢う予定の日、
私はあまり体調がよくなかったが、
せっかく二人で逢う貴重なひと時のために、
何とか頑張ろうか、
あるいは延期しようかと悶々としていた。
そんな時、仕事の流れで今夜は無理かもと、
御仁からメールが入った。
残念だけど、体調的にほっとした気持ちで、
「私も用事でクタクタだったので日程変更希望です」
とすぐさま返信した。
この返信は正直であると同時に、
御仁が自分の都合で約束をキャンセルすることに、申し訳なく思わないようにという気持ちもあったし、
疲れた自分を「大丈夫か?」と
気にかけて欲しい気持ちがあった。
御仁はというと、
すぐに既読になったものの返信は無し、、、。
そもそも仕事には全集中の人だから、
自分も気にせず仕事に注力すればいいかと気持ちを奮いたたせつつ、
私がクタクタだって言ったから休めるようにとメールを控えた可能性もあるよなと、自分を納得させようとした。
だとしたら、翌日なら様子伺いで「大丈夫か?」って、連絡来ないかなぁと期待する一方で、御仁も最近少々体調がよくなかったので
多忙な折、大丈夫だったかなあと心配した。
心配しながらFBを覗くと今日も仕事に邁進している記事だったので、安堵してすぐさまいいねを押した。
次の瞬間には、元気なら具合伺いのメールくれてもいいのにと、拗ねる気持ちが出てきて、いいねを取消したくなった。
とにかく御仁は思いのまま飛び回る自由が重要な人だから、私からああして欲しい、こうして欲しいなどという要求は、言語道断であることはこれまでの経験で百も承知だ。
しかし御仁がそうだからといって、
私の気持ちは私のものとして独立した存在だから、気にかけてメールして来ない御仁に対する怒りは事実として在る。
私はいつも微笑む女神では無いのだし、
しかも今宵は体調もよくない。
明日はFBに勢いでいいねすることも無いだろう。
次に私からメールすることも無いだろう。
二人は本来、何も無いのだ。
何か在るのがおまけギフトだった。
そのことを思い出しておこう。
ここ最近は御仁からの連絡待ちが基本だったので、ついつい期待しとしまった。
そんな自分の切なさを認めて、そっと流し去ろう。
御仁が仕事に邁進する姿を思い浮かべながら。
また逢う日迄。