吾唯足知 うさこの独り言

自分の声を聴く・・・

自分を守れた

30年来の男友達に誘われて久しぶりにご飯を食べた

 

30年前は精神的に不安定で独りの寂しさに耐える力が無かったので

この友達とは中途半端な付き合いをした

友達には私と付き合っていたという認識があるようで

飲んで口を開くとあの時はああだったよねとか昔の思い出話をする

しかし私には付き合っていた認識は無かった

自分の寂しさを埋めるための道具に過ぎなかった

けれどそんなことは言えないので

にこにこ笑って適当に話を合わせていた

 

5年程前にも誘われて2人でご飯を食べた時も同じだった

一緒に時間を過ごしても楽しいということでも無かったし

人としての魅力を感じることも無かった

仕事の愚痴も多くて尊敬する存在でも無かった

ただ誘われることで満たされる部分もあったし

断るだけの確固とした自分も無かった

 

酔った勢いでハグやキスを迫られても

その場に合わせて流されることを選んでいた

嫌だなという気持ちも無くはなかったが

求められることに満たされる部分もあっただろうし

当時の私は自分の気持ちより他人が優先だったから

他人の好意を断ることが出来なかった

 

今回の誘いにも乗り気でなく何ヶ月かやり過ごしていたのだが

ふっとある時に行くことを選択した

 

今の自分は、自分の本心に蓋をしてにこにこ仮面をつけて

相手に合わせる自分ではないという

確信のようなものを持っていた

ご飯を食べ相手の話を聴きながら

私は自分の心にも意識を向けていた

 

瞬間瞬間に起こる自分の気持ちを眺めていると

無理ににこにこする必要はなかったし、

実際そうすることも無かった

友達の言動に不快感を覚えることもあったが

ジャッジしないで感じるにままにしておこうという意識も自覚できた

 

店を出て歩き始めると、案の定体を近づけてきたが

「やーめーてーよー」

と敢えて明るい口調で言って回避した

このような行動が悩むことなく瞬時に出来たことに我ながら感心した

 

嗚呼

もう私は、自分を守れるようになったのだ

ようやくここ迄辿り着いた

自分を誇りに思う

 

私は独りの寂しさに耐える力があるし

何より私は自分と仲良く楽しむことが出来るようになった

心の穴は自分で埋められるから他人に埋めてもらう必要はない

もうこの人と2人で会うことはないと確信した

今回会う選択をしたのは

そんな自分の成長を確認する為だったのかなと思う

 

残された命の時間は

自分の気持ちの歓びを道標に

心から尊敬し愛する人と過ごしたい