吾唯足知 うさこの独り言

自分の声を聴く・・・

他人の感情に影響される ーポジティブ編ー

突然激高する父親の影響で、他人を怒らせていないかどうか無意識のうちに過敏になる。そんな必要はないと頭で理解しても、染みついたセンサーはそう簡単には消えないものだとつくづく思う。

 

しかし自分が影響を受ける他人の感情というのは、怒りや批判といった悪いものもあるが、楽観や笑い等という良いものもあり、改めて超ポジティブな御仁に影響される出来事があった。

 

約束をした時間に急な来客があり、15分程度時間を潰して欲しいと御仁から言われた。15分という喫茶店に入るのも中途半端なので、途中の駐車場に車を止めシートを倒して休むことにした。ふと目を開けると既に40分程経過している。メールもない。AC的な私は人に不満を漏らさずいい人を演じる癖があるし、待たされた自分の感情として怒っているのかさえわからない。自分の感情を感じることが苦手なのだ。

 

感じることが難しいのでやむなく、頭で考え始める。自分だったら5分でさえ人を待たせたら、びくびくする。40分も待たされるなんてひどい扱い、私を蔑ろにしているのではないか。いやいや、御仁は立派な人だし、大切な仕事の客人なのだから、御仁がその対応ができるように、私が平静でいられる人間になればいいのではないか。いやいや、私だって自分の時間は大切だ、それを怒らないのは私が自分を蔑ろにすることではないか。ここは「No」と言った方がいいのではないか・・・etc。

 

自分の気持ちがわからないだけに、いつも同じような悩みかただと、自分に半ば呆れつつ、私は御仁に「日を変えてもらっていいですか」とメールすることにした。何度も書き直しながら、45分が経過したら送信ボタンを押そうと意を決し、まさに送信ボタンを押しますよーというその瞬間に、御仁から電話がきた。

 

「終わりましたー。いいですよー。」

御仁の何とも屈託のない明るい声・・・。

 

 

「はーい」と、私は反射的に御仁と同じ調子で返答していた。

 

もし相手が、私のAC的習性のようにびくびくして、「ごめんねー。大丈夫?」等のように私の機嫌を伺うような対応であれば、待っている間の私のもやもやした気持ちはさらに増幅していただろう。

 

しかし御仁のような超ポジティブな人間の感情には、こんなにも恐れがないものかと感心してしまった。しかも、あんなにもやもやしていた自分のネガティブな感情が、他人のポジティブな感情に吹き飛ばされる不思議な体験であった。

 

御仁に逢った瞬間、私は素直に逢えた嬉しさを感じつつ、「日を変えますかってメールするところでしたよ」と素直に言えたことにも驚いた。

 

きっと明るく振舞うことを頭で考えて決めたわけではなく、御仁のポジティブな態度に私の心が素直に反応して行動した結果なので、頭で悩まず言葉が素直に口をついてでたのだと思う。

 

人のネガティブな感情に影響されて生きてきた自分が、ポジティブな感情の影響に感動するとともに、自分の中に沁みついた恐れを手放したいと思った出来事であった。